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2007年5月17日 (木)

邂逅~フライフィッシング~ その3

中学生になると行動範囲が広がった。自分の責任で釣りに行けるようになった。釣り好きの友達もたくさんいた。リュックを背負い、自転車を走らせ川に通った。部活の帰りに野球の練習着のまま釣っていたこともあった。やっぱり魚はたくさんいた。

 本を読んでいて「毛針」なるものに出会ったのは、中学生の頃だったと思う。なんじゃこりゃ…。初めて毛針を見たときの感想。こんなので釣れるのか…率直に思った。釣り針に、クジャクの羽がグルグル巻き付けてあって、ぱらっと茶色のハックルが巻いてあった。毛針で釣っている人なんて見たこともなかった。ただ、お袋の友達の旦那さんがフライをやっているということだけは耳にしていた。この方が後に一緒に酒を飲み、スペイの話をし、僕が勝手に師匠と仰いでいる方である。

 でも、何か毛針には引きつけられるような不思議な魅力があった。毛針で釣ってみたい…自然発生的にそんな気持ちになった。毛針を作ってみよう…漠然と考えた。

 ボビンもない。スレッドもない。マテリアルもない…。ましてやバイスなんかあるはずもない。それでもやってみたかった。考えた。軸の長いハリス付きの針を用意した。これに巻こうと思った。ボディーにはクジャクなんかあるわけないので毛糸をつかった。ハックルは、ご先祖様ごめんなさいと手を合わせつつ、仏壇の羽根ばたきから拝借した。スレッドはお袋のミシン糸から拝借。そして問題のバイス。ラジオペンチに針をはさみ、「握り」の部分をひもで縛った。ありったけの本を机の左側に積み上げ、本と本の間にラジオペンチをはさんだ。バイスメーカーもびっくりのお手製バイスなのである。

 手先の器用さには多少なりとも自信があった。ボビンは使わずに糸を直接指でつまんで巻いていった。毛糸のボディーもなかばやけくそ気味にグルグル巻いた。ハックルもハックルプライヤーなんてあるわけもないので、強引にクルクル…。この試行錯誤の末、記念すべき第一号の毛針(?)ができあがったのである。この毛針を2本巻き、大事に大事にアメだかなんだかのお菓子の小さな缶に入れて持ち歩いた。この毛針をデビューさせるにはまたしても難関がたちはだかった。

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コメント

すごく面白い!
NHKのプロゼクトXのような文体?で面白く
興味が惹かれます。

自分で釣りにたいして
思い当たるところが多く興味が惹かれます
真剣に釣りに対して考えたことがありません
でした。 
 しょせん趣味の領域だと思っていたので
すごく新鮮に感じられます。
続編期待しています。

のん兵衛のオールドスペイキャスターより。


投稿: 松村優 | 2007年5月18日 (金) 21時04分

俺の場合はでかいクリップにはさんだw
初めて巻いたドライは「上流から流れてくるゴミ」タイプだったな。
エルクヘアカディスのページ見て巻いたんだけど。

でも釣れた。釣れた次の瞬間、瞬く間に分解したけどw

毎回思うよ。魚には何に見えてるのかな?って。
苦労して巻いてるんだから、虫として認識して欲しいな。
「お、何か流れてきた。とりあえず喰うか。」じゃなくて。

投稿: 置戸のインチキ釣り師 | 2007年5月18日 (金) 21時32分

のん兵衛のオールドスペイキャスターさん
 コメントありがとうございます。私の戯言にすぎません…。読んで頂けてうれしいです。

置戸のインチキ釣り師さん
 毎度毎度コメントありがとうございます。私のくだらない戯れ言につきあって頂きありがとうございます。調子にのって“その4”まで来ました。はたしていつまで続くのか…。

故郷の皆さんに読んで頂けてうれしいです。故郷の川を同じく愛し、釣りが好きなみなさんと出会えたヨロコビでいっぱいです!
 

投稿: 管理者 | 2007年5月18日 (金) 23時33分

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