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2009年7月12日 (日)

「蝦夷スペシャル」力学的フライ

   先日、イトウに効果があった、ヒグマのヘアを使用した「蝦夷スペシャル」。
P1080005 このフライにはちょいと物理的というか力学的な隠し味が含まれているのです。

 ウォディントンシャンク25㎜にフックはオーナーSSW#4のイントルーダースタイル。

 オーナーSSW#4のフックを使って、いつも通りに巻くと、どうしてもフックの方からフライが沈んでしまってバランスが崩れ、よい泳ぎをしてくれません。着水と同時に水平、もしくはアイ側から沈んでくれるのが理想。

 どうしたもんだか…色々考えたわけです。ただやみくもにアイ側にシンカーを巻き付けてもなかなかうまくいかず…、どうしてもフックの方から沈んでしまうのです。

 そこで、ちょいと学生の時に使っていた力学の教科書を開いてみたのでありますね。そうすると、渡りに船?この悩みを解決してくるような、力学的な考え方が示されていたわけです。
 それがこれなんです。
P1080007 バランスを保つためには図のような状態を作り出すことが必要なんですね。m1がフック、m2がアイ付近に取り付けるシンカーと考えればいいわけです。
 フックからできるだけはなれたところに、つまりアイのぎりぎりのところにシンカー集中して取り付ければいいわけです。まぁ、テコの原理に近いですね。そうすれば重心Gが決まり水平もしくはアイ側からフライが沈んでいくことになります。

 実際に巻いたのがこんな感じです。
P1070993  アイのところに、レッドワイヤを2本縒りにしたものを3列にして巻き付けてあります。
P1070995 こんな感じ。これで、フックとのバランサーとして機能してくれます。沈めるためのシンカーとしではなく、あくまでバランスをとるための細工です。

 それから、フックとレッドワイヤだけだと下の図のようになってしまいます。
P1080009  そこで大切なのが、2枚目の写真の上向きの力Fなんです。
 重心からフライを上側に持ち上げる力が必要なんです。

 こんなところにティペットを結ぶわけにはいかないので、またいろいろと考えてみました。(これが結構楽しいのです、ムフフ)

 ここで登場するのがヒグマのヘアなんですね。ハリとコシがあって水からの浮力を受けてくれます。力Fは水の浮力を利用してみようと思ったわけです。それでオーバードレッシング気味にヒグマのヘアをテールとウィングにして、水の浮力を受けるようにしてみたんです。

 そんなこんなで、たまには頭を使ってリキガクテキにフライを考察してみたわけです。風呂場で実験してみると、思惑通りにフライはバランスよく泳いでくれたわけです。

 よ~し。よ~し。

 さすがは物理学!地球からロケットを飛ばすだけのチカラはダテじゃない!(←って当たり前か…)

 理論と実態がかみ合った瞬間って結構快感です!
 この法則を頭に入れながらタイイングしていけばバランスのいいフライが出来上がるはずです。あとはタイヤーとしての腕…それを磨かなくては。まだまだ、修行が続きます。

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コメント

お見事です。^^
もちろん、力学を取り入れるのは凄いことですが、そのバランスを考慮しつつもフライそのもののデザインも秀逸。
これを巻き上げただけでなく、しっかり本命キャッチされたことに拍手。

熟考、製作、フィールドテスト…楽しいですよね、分かります。

投稿: kuni | 2009年7月12日 (日) 21時10分

お疲れ~
シャンク後半のマテリアル量で姿勢制御の役目を負わしているのですか?
この場合、選択マテリアルの比重次第では量を変化させないといけないんでしょうね

投稿: H爺 | 2009年7月13日 (月) 22時03分

kuniさん
 こんばんは。返信が遅れまして大変申し訳ありません。
 そんなに褒められたフライじゃないです。イメージを形にするのってとても難しいですね。まして、それが魚に好かれるかどうか…。頭をひねって考えたフライほど釣果が芳しくなかったり…。
 でも、いろいろ考えて釣りをする楽しみがあるのって、やっぱりいいですね。

投稿: 管理者 | 2009年7月19日 (日) 21時24分

H爺さん
 こんばんは。返信が遅れまして大変申し訳ありません。
 テール材はなるべく堅めの物を使用して、姿勢を安定させています。それだけだと動きのアピールが少なくなると思うので、よくうごくスードゥヘアを入れています。
 マテリアルによって量は変えないといけませんね。どこまでマテリアルの質感を理解できるかがフライ作成のカギになっています。

投稿: 管理者 | 2009年7月19日 (日) 21時26分

奴の毛ですねー!!私もチューブフライアタリに使ってやろうか?それとも・・・なんて日々考えています(笑)もうそろそろ「奴ら」の時期!ランニングマンはやはりDVDと同じ「シングルロッド」で勝負したいですねー!

投稿: 西洋毛鉤 | 2009年7月20日 (月) 11時47分

西洋毛鉤さん
 こんばんは。
 ヒグマ使えますよ~。是非使ってみて下さい。西洋毛鉤さんが巻いたらどんなフライになるのか楽しみです。
 ランニングダンウンザマンの季節が近づいて来ましたね!シングルハンド#8を準備しています。海の弾丸ライナーの季節はやっぱりわくわくですね!

投稿: 管理者 | 2009年7月20日 (月) 23時08分

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