ニュージーランド探訪記
みなさん、
遅ればせながら、
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
2013年も「クレージーフライフィッシャーの雑記帳」戯れ言ばかりのブログにお付き合いいただければ幸いです。
さてさて、私めはというと…
2012年の終わり、ニュージーランドを旅して参りました。
ニュージーランドは憧れの地でありました。
でっかいトラウトが釣れる国。
釣りだけが今回の旅の目的ではありませんので、釣りができたのは1日。
妻をなんとか説得して、1日でしたが釣りをしてきました。
最初に結果を言っておきましょう!
2匹かけましたが、1ブレイク、1フックアウト。
そうです、
ボウズ
です。
はっきり言って…
「ニュージーランドに行ってボウズはないだろ。」
「きっと、でかいのがバンバカ釣れるはず。」
なんて考えは甘かったのです。
しかし、この釣行は私にとってフライフィッシングをもう一度見つめ直す、最高の経験になりました。
自分のスタイルの釣りがしたい…
北海道でやっているような、ウェットの釣りがしたい…
そのようにガイドさんにお願いしました。
ガイドは名ガイドのマリー・ダウニーさん。 愛犬、クッキーも一緒。
川を下りながら、ポイントに着いたらそこでウェットを流すという贅沢な釣り。 妻もフライフィッシングを体験。
本格的なチャレンジは初。マリーさんのレッスンを受けながら、ニュージーランドスタイルで頑張りました。
マリーさんは、とても優しいジェントルマン。
アドバイスも的確でわかりやすい。
どこをどう流せば魚が食ってくるのかを正確に教えてくれます。
「もうちょい、右」
「1m向こう」
「リトリーブで誘え」
などなど、もちろん英語でのアドバイス。
たいして、英語がわからない私でもわかっちゃうんだから、フライフィッシングって不思議。 しかしながら、マリーさん曰く…
「今日は普通じゃない…」
川の状況がよくないらしい。
いつも魚が着いているところに、いない…。
水が多い…
簡単に釣れる状況にはないことを、私も感じ始める。
これは、一筋縄ではいかない…。
でも、自分のウェットフライで釣るというスタイルは変えないでいこう。
マリーさんだってウェットのポイントを案内してくれている。
北海道で培った多少の経験を元に、あれやこれやと考えを巡らせる。 クッキーにも聞いてみる。
シンクレートを変えてみる。
自分のフライを信じる。
北海道では魚を引きつけてくれる、ヒグマファンシーも効かない。
頼りのナンバーワンにも全く反応なし。
クイルウィングのフライにはまったくなになもない。
私のフライボックスにはクイルウィングのウェットばかり。
どうすりゃいい…
マリーさんがなんとかして、私に魚をかけさせようとしてくれるのがわかる。
そんな気持ちがうれしいんだな。
異国の地からやってきた言葉もろくにわからないキチガイを相手に、旧知の友であるかのように接してくれる。なんとかニュージーランドの魚のファイトを味あわせてあげたいってひしひしと伝わってくる。
私のフライボックスを見て、良さそうなフライをチョイスしてくれる。
あくまで私の釣りを通させてくれた。
ありがたい。
「暗めのグリーン系、マラブーなんかがいいんだけど…」 マリーさんがこれがいいかもと言ってくれたフライ。
オリーブのゾンカー。
ゾンカーテープのスキンは薄くしてあるので、動きに問題はないと考えていたし、浜益川では色こそ違えど、サケには効果があったフライだ。
このフライを、でっかいプールにキャストする。
「今日は水が多いから、プールの入り口に魚がいる。だから、あまりポイントに近づかないで、まずは至近距離から狙え」 マリーさんのアドバイス通りにキャストして、フライがイイ感じに流れ出した。
「パーフェクト」
マリーさんが言ったときだった。
かけた!!
自分の思惑通りに魚が出た
最高のファイト!
これを求めて南半球まで来たんだ。
夢が叶った。
と思った瞬間…
ふっと、生命反応がなくなった。
外れた。
痛恨のフックアウト。
マリーさんと2人で天を仰いだ。
これがラストだった。
いいんだ!
また来ればいい。
新しい目標ができた。
ニュージーランドの魚をウェットで釣るという目標!
「釣れる日もあれば、釣れない日もある。それがフライフィッシングさ」
と優しくマリーさん。
そうだよね。
これこそ
This is the flyfishing
そうなんだ。
これぞ、フライフィッシングなんだ!
ニュージーランドの釣りを通してフライフィッシングの初心に立ち返ることができた。
そして、フライの重要性に改めて気づいた。
汎用性のあるフライを持っていないといけない。
全世界で使われているフライ。
マリーさんの言葉を思い出す。
「暗めのグリーン系、マラブーなんかがいいんだけど…」
もしかして…
「オススメのフライは、ウーリーバガーだった?」
と聞いてみると、
「イエス」
きっと、マリーさんのボックスにはウーリーバガーが入っていたはず。
「これ使えって」言うこともできたはず。
でも、あえて私のフライで私のスタイルでチャレンジさせてくれた。
魚を手にすることはできなかったけれど、
得た物がとても大きい気がした。
ヘミングウェイは、
「魚が釣れないときは、魚が考える時間を与えてくれたと思え」
と言った。
まさにこれ。
マリーさんも自然とそのことを教えてくれた。
フライタイイングも初心に返ろう。
これまで、徒然なるままに巻き続けてきた私。
長いフライフィッシングの歴史の中に脈々と受け継がれてきている釣れるフライの遺伝子を忘れていないか?
なぜ?ウーリーバガーが生き残ってきたのか…?
それは…
そう、釣れるから。
もっと、フライの勉強をしないとだめだ。
フライの歴史を知らないとだめだ。
もっとフライフィッシングを楽しむために、勉強しよう!
フライタイイングを始めた頃はどんな気持ちで巻いていた?
見よう見まねでタイイングした、その見よう見まねしたフライは何だった?
それらは、きっと釣れる遺伝子を受け継いできたフライのはずだ。
ニュージーランドの釣りが教えてくれたこと…
「原点回帰」と「これぞフライフィッシング」
もっとうまくなって、また戻ってくるぞ!
そのときはまたマリーさんにガイドをお願いしよう。
きっと、美味しいサンドイッチを用意して、本流を釣らせてくれるはず。
ありがとうマリーさん!
ありがとうニュージーランド!!
追記…
今回の釣行で一番すごかったのは妻。
なんとなんとマリーさんもビックリの60㎝UPブラウンを1匹。砲弾みたいなレインボーを1匹。2匹も釣っちゃった。
恐るべし…妻…
マリーさんも思わず
「アンビリーバボー!!!!!」
すげ~な…
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